【将棋】電王戦合議制マッチ出場棋士の紹介 森下卓九段・稲葉陽八段・斉藤慎太郎六段・・・観る将が知っておきたいトップ棋士10人まとめ(2016-2017年版)

2016年ソフト不正に揺れた将棋会

今、将棋会は揺れています。
スマホ使用不正の疑義に対する12月26日の第三者委員会での調査結果、12月27日の三浦九段の会見、直後に行われた将棋連盟による読み上げの記者会見。

疑義の根拠についても調査結果からは薄弱なものと分かり、スマホやリモート操作、メールによる伝達の痕跡もなく、更に連盟理事が監視していて不審な行為はなかったという事実から、連盟が三浦九段を竜王戦不出場とした処分の根拠さえ乏しくなっています。

将棋不正疑惑、証拠なし 三浦弘行九段「なんでこんな仕打ちを…」

渡辺竜王が根拠に上げていた一致率の高さについても、三浦九段より高い一致率がある棋士もいるなど、不正を推定する手段としては薄弱な根拠でした。
今回の調査結果により、三浦九段のソフト使用の疑いが晴れただけでなく、将棋連盟という棋士が自分たちで運営する組織の運営面や法務面での危うさが明らかになったと言えます。
将棋連盟や疑義を発した棋士に対し、三浦九段側が名誉毀損も含めた対応を行うのかといった事も注目されています。
しかし、大晦日くらいは2016年将棋界最後の大イベントで盛り上がりましょう!

電王戦合議制マッチ

12月31日大晦日17時から、前代未聞のプロ棋士と将棋ソフトによる[将棋合議制マッチ]が開催されます。

電王戦合議制マッチPV

http://denou.jp/gougi2016/

相手は電王トーナメント2016を勝ち抜いた最強将棋ソフト3台のPONANZA、nozomi、大樹の枝。コンピュータも合議制という「合合議制」の異種格闘技戦です。
コンピュータに対するは森下卓九段、稲葉陽八段、斉藤慎太郎六段の三名です。
今回紹介する10人の中にこの三名も含まれています。
ぜひ合議制マッチの前に、この記事で予習をしてもらって、合議制マッチを楽しんでもらえたらと思います。
(段位、戦績等は2016年12月から2017年初頭現在のものです。)

トップ棋士まとめ[Part1]はこちら

【将棋】羽生善治・渡辺明・佐藤天彦・・・観る将が知っておきたいトップ棋士20人まとめ(2016-2017年版) – Digital Analyzer Zero

森下卓(もりしたたく)[電王戦合議制マッチ出場棋士]

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(画像掲載元:日本将棋連盟公式サイト)

森下卓|棋士データベース|日本将棋連盟

段位:九段
戦績:竜王登場1回、名人登場1回、棋王登場2回、王将登場1回、棋聖登場1回他
戦型:居飛車、矢倉、受け将棋からのカウンターが得意形(森下システムの考案者)
愛称:プロフェッサー森下
人物:明朗快活で自他共に認める将棋界リーダーの一人。プロフェッサーの名の通り読書家で博学である。2005年は日本将棋連盟理事を務めた。
通算800勝だがタイトル獲得はこれまでない珍しい戦績である。

最近は「大晦日の仕掛け人」として知られる。
2014年の第3回将棋電王戦(5対5でプロ棋士5人と将棋ソフト5つが戦う団体戦)では将棋ソフト「ツツカナ」に敗れた。
これを受け、「電王戦リベンジマッチ」が森下案で企画され、2014年12月31日から1月1日にかけ再度、森下とツツカナが再戦。
秒読み10分で継盤使用可という変則マッチになった。
20時間経過後の1日午前5時に入り、この後も40時間程度続くことが見込まれたことと、スタッフに限界が見えたため、勝負は引き分けとなった。

2016年の大晦日も森下発案のソフト戦を企画。題して「電王戦合議制マッチ」。
これは電王戦リベンジマッチを発展的にルール改正したもので、三名のプロ棋士と三つのソフトが戦う団体戦となり、プロ棋士側は合議制で手を指す。
プロ棋士側は継盤使用可。
ソフト側も三つのソフトの合議制で手を決定し指す。

プロ棋士側は森下卓九段、稲葉陽八段、斉藤慎太郎六段の三名が出場する。森下によると実力もさることながら「チーム戦」を意識して発言出来る事など、チームワークが重視されたようだ。
ソフト側はPONANZA、nozomi、大樹の枝となった。
電王戦合議制マッチは2016年12月31日17時から対局が予定されている。
(中継のニコニコ生放送は16時から放送開始予定)

キーワード:

  • 電王戦合議制マッチ……恐らくプロ棋士の中で最も電王戦(将棋ソフトとの対戦)に縁が深く、第3回将棋電王戦に始まり何度もソフトとぶつかってきた。2016年も森下発案で電王戦合議制マッチが決定。

稲葉陽(いなばあきら)[電王戦合議制マッチ出場棋士]

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(画像掲載元:日本将棋連盟公式サイト)

稲葉陽|棋士データベース|日本将棋連盟

段位:八段
戦績:銀河戦優勝1期他
戦型:相掛かり、角換わり、居飛車穴熊、左美濃など
愛称:特に無し
人物:関西若手棋士四天王の一人。関西の名門加古川将棋倶楽部出身で船江五段とは井上慶太九段門下の同期である。
天彦世代の一人。
将棋普及を目的とした若手棋士の組織「西遊棋」の中核メンバーの一人である。

西遊棋Web | 関西若手棋士ユニット 西遊棋(さいゆうき)の公式サイト

2016年現在、A級で全勝を上げており、最も勢いのある棋士の一人である。
小学生の時から切磋琢磨していた対戦相手の兄・稲葉聡も奨励会に在籍していたが、後にアマに転向。2015年の加古川青流戦で、アマチュア枠で史上初の優勝という快挙となった。
2015年の将棋電王戦FINALで中堅(3番手)として出場し将棋ソフト「やねうら王」と対局するが、敗退した。
2016年大晦日の電王戦合議制マッチ2016に参加する棋士の一人として選出された。

キーワード:

  • 早指し……糸谷哲郎と同じく早指しでも有名。
  • 電王戦……電王戦に縁があり2015年の電王戦FINALに続き電王戦合議制マッチでもコンピュータと戦うことになった。

斎藤慎太郎(さいとうしんたろう)[電王戦合議制マッチ出場棋士]

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(画像掲載元:日本将棋連盟公式サイト)

斎藤慎太郎|棋士データベース|日本将棋連盟

段位:六段
戦績:将棋大賞勝率一位賞・新人賞他
戦型:居飛車
愛称:特に無し
人物:現代的なスタイルの整った風貌の若者だが、人物は至って温厚である。
師匠の畠山七段によると上昇志向が非常に強く小学生からプロをはっきり見据えて発言していたという。
斎藤六段といえば詰め将棋であり、詰め将棋に非常に強い。詰将棋解答選手権では第8回・9回と連続優勝した。
その後、中学生プロ棋士で詰め将棋に関しても天才と目されている藤井聡太四段が奨励会当時に12回・13回を連続優勝している。
ソフト研究については「使う側」の棋士である。
緻密な研究で知られており、関西棋士の先輩である糸谷と最新型研究の共著を出している。

糸谷&斎藤の現代将棋解体新書 (マイナビ将棋BOOKS)
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  • 詰め将棋……詰将棋解答選手権で第8回・9回連続優勝。
  • 電王戦……電王戦に縁があり2015年の電王戦FINALに続き電王戦合議制マッチでもコンピュータと戦うことになった。

田中寅彦(たなかとらひこ)

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(画像掲載元:日本将棋連盟公式サイト)

田中寅彦|棋士データベース|日本将棋連盟

段位:九段
戦績:棋聖1期他
戦型:居飛車穴熊、無理矢理矢倉(後手番矢倉)
愛称:タナトラ、序盤のエジソン
人物:序盤戦術が強く「序盤のエジソン」と呼ばれていた。
もうすぐ還暦だが、年齢を感じさせない風貌やてきぱきとした話しぶりである。
解説では「年だからもう分からん」とぼやきながらも的確な筋を説明している。
2012年より日本将棋連盟常務理事を務める。

キーワード:

  • 野球、ギター、水泳……趣味で草野球チームで試合をしたり水泳で大会出場をしている。その他、ギターでコンサートでの弾き語りをするなど、非常に多趣味でアクティブである。
  • Twitter……本人が更新しているTwitter
    田中寅彦(@tora_ejison)さん | Twitter

先崎学(せんざきまなぶ)

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(画像掲載元:日本将棋連盟公式サイト)

先崎学|棋士データベース|日本将棋連盟

段位:九段
戦績:NHK杯戦優勝1回、若獅子戦優勝1回他
戦型:無頼流(データよりも直感を重視する打ち筋)
愛称:せんちゃん
人物:羽生世代の一人。奨励会(プロ棋士になる前の養成組織。満26歳までに四段昇進者だけがプロ棋士となれる狭き門)に入ったのは羽生よりも早かったが、その後、同世代に抜かれてしまい、パチスロなどの遊びに興じる。パチスロではリーチ目の解析などをいち早く行っていた。パチスロ雑誌にも連載を持っていたこともある。
パチスロにはまっていた時の収入は「生涯最高の収入」と語っているほど。

神吉宏充(七段。現在は引退)とは当意即妙のやり取りで人気があり、絶妙のコンビだった。
やや小太りの体型だが、西尾明と同様エクササイズのためボクシングに通っている。
漫画『3月のライオン』の監修を行っている。

キーワード:

  • 村山聖……夭折した天才棋士・村山聖とも生前親しく、先日公開された映画『聖の青春』で村山と交流するプロ棋士の荒崎学(演・柄本時生)は先崎がモデルである。
  • ギャンブル……ギャンブルに関しての逸話には事欠かず、中学の頃から雀荘に出入りし麻雀をしていた。麻雀大会への出場経験も豊富であり、強豪の畑正憲や萩原聖人とも対局している。

野月浩貴(のづきひろたか)

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(画像掲載元:日本将棋連盟公式サイト)

野月浩貴|棋士データベース|日本将棋連盟

段位:八段
戦績:NHK杯戦ベスト4、早指し新鋭戦優勝他
戦型:相掛かり、横歩取りなどの攻め合いに強い
愛称:特に無し
人物:多趣味であり、サッカーや旅行、英語など様々な分野に興味があり、旅行では国内、海外問わず行っているようだ。
解説では全ての筋を丁寧に解説する。
また、棋士同士の掛け合いなどでもサービス精神旺盛な棋士である。
北海道出身棋士としては広瀬八段の先輩に当たる。
漫画『ナリキン!』の監修を務めた。

キーワード:

  • Twitter……本人が更新しているTwitter
    野月 浩貴 (@nozuki221) | Twitter
  • 英語……英語が得意であり、日本将棋連盟サンフランシスコ支部の師範を務めており、海外での将棋の普及に尽力している。
  • Abema!TV……2017年から始まったAbema!TVの将棋チャンネルの開設に尽力した。
  • サッカーファン……地元のコンサドーレ札幌を応援している。

西尾明(にしおあきら)

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(画像掲載元:日本将棋連盟公式サイト)

西尾明|棋士データベース|日本将棋連盟

段位:六段
戦績:第12期銀河戦決勝進出、第78期棋聖戦ベスト8他
戦型:居飛車、角換わり、横歩取り、矢倉など
愛称:特に無し
人物:東工大理工学部出身(中退)の理系棋士である。ネットに造詣が深くニコニコ生放送での棋戦中継が本格化する前に、将棋タイトル戦の中継を企画してきた。
コンピューター将棋にも詳しく将棋ソフト「Apery」を研究に使っている。
西尾自身は羽生のようなチェスプレイヤーではないが、チェスの文献や論文を多く読み、また海外のプレイヤーとFacebookで交流している。
ソフトの論文を読んでいると言っている。
また、ギターも弾き、囲碁将棋チャンネルに作曲した曲を提供している。
暗算が得意で解説者で出演したときに暗算問題を出題されることがある。
その他、健康のためボクシングもやっており非常に多才な棋士である。

キーワード:

阿部光瑠(あべこうる)

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(画像掲載元:日本将棋連盟公式サイト)

阿部光瑠|棋士データベース|日本将棋連盟

段位:六段
戦績:第45期新人王戦優勝他
戦型:オールラウンダー(居飛車)
愛称:黒コール
人物:見た目は穏やかな風貌だが、コメントはいい意味で空気を読まず常に直球であり、その場合黒コールと呼ばれる。
笑顔で場を凍りつかせる厳しいコメントを放つので、見ている側も冷やりとさせる。
第2回将棋電王戦では将棋ソフト「習甦」と対戦し勝利。

キーワード:

  • 香川愛生……人気女流棋士の香川愛生女流王将とは同門(森門下)で、”どつき漫才”といわれる掛け合いを繰り広げた。

長岡裕也(ながおかゆうや)

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(画像掲載元:日本将棋連盟公式サイト)

長岡裕也|棋士データベース|日本将棋連盟

段位:五段
戦績:
戦型:振り飛車(四間飛車)
愛称:定跡ナビゲーター
人物:羽生善治の研究パートナーとして知られる。羽生善治と同じく八王子将棋クラブの出身。小学生時代に羽生と指したこともある。
書籍や新聞への寄稿多数で、羽生からも緻密な研究内容を評価されている。
テレビ番組「夏目と右腕」(テレビ朝日)の「棋士・羽生善治の右腕×棋士・長岡裕也」にて、2009年から羽生善治とのVS(一対一研究会)を行っていることが紹介された。
序盤戦術に明るく「定跡ナビゲーター」とも言われる。

キーワード:

  • 羽生善治……月に一度程度のペースで、羽生善治とのVSを行っている。

藤井聡太(ふじいそうた)

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(画像掲載元:日本将棋連盟公式サイト)

藤井聡太|棋士データベース|日本将棋連盟

段位:四段
戦績:第59回奨励会三段リーグ優勝
戦型:角換わり
愛称:特に無し
人物:21世紀生まれの初のプロ棋士。2016年、加藤一二三九段の記録(14歳7ヶ月)を抜き、史上最年少の14歳2ヶ月でプロ棋士となり話題となった。
中学在学中に棋士となったのは羽生三冠、渡辺竜王などに次いで史上5人目である。

自身初のネット中継戦となったプロ棋士デビュー戦の第30期竜王戦6組ランキング戦では、加藤一二三九段と対戦。
加藤一二三九段は対局前「恐らく天才だと思うが戦うのが楽しみ」と発言していた。
この対局は62歳(6か月)差対局として大きくマスコミにも取り上げられた。
この対局では110手で加藤九段を制し見事初陣を飾った。この勝利で史上最年少勝利という記録となった。

62歳差対決!加藤九段vs藤井聡太四段

第30期竜王戦6組ランキング戦 加藤一二三九段 vs 藤井聡太四段 – 2016/12/24 10:00開始 – ニコニコ生放送

対局中の姿勢は極端な前傾姿勢で、カメラ慣れしていないことから、カメラに頭が被さってしまい、藤井四段側の駒が見えないという事が多かった。
また、対局中、終了後の感想戦でも扇子を終始開く・閉じるなど弄っていた事も癖なのかもしれない。

加藤一二三戦の対局後の感想戦

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