2018ロシア・ワールドカップ アジア最終予選 UAE、タイ戦に向けたメンバー発表 会見動画とメンバー感想

2018年ロシア・ワールドカップのアジア最終予選に向けたA代表メンバーが発表されたので、会見動画と合わせてメンバーの印象などを書いておきます。


(画像掲載元:JFA公式サイト

日本代表試合日程

アジア最終予選(開始時間は日本時間)

  • 2017年3月24日(金) 0時30 日本vsUAE(アウェー:UAE/Hazza Bin Zayed Stadium)
  • 2017年3月28日(火) 19時35 日本vsタイ(ホーム:埼スタ)
  • 2017年6月13日(火) 開始時間未定 日本vsイラク(アウェー:未定)
  • 2017年8月31日(木) 開始時間未定 日本vsオーストラリア(ホーム:埼スタ)
  • 2017年9月5日(火) 開始時間未定 日本vsサウジアラビア(アウェー:未定)

キリンチャレンジカップ(開始時間は日本時間)

  • 2017年6月7日(水) 開始時間未定 日本vsシリア(ホーム:東スタ)

最終予選順位表

グループB順位表(2017年3月16日現在)

順位 チーム 勝点 得点 失点 得失
1 サウジアラビア 10 3 1 1 9 5 +4
2 日本 10 3 1 1 8 5 +3
3 オーストラリア 9 2 3 0 8 5 +3
4 UAE 9 3 0 2 7 6 +1
5 イラク 3 1 0 4 6 8 -2
6 タイ 1 0 1 4 3 12 -9

ワールドカップ本選出場条件

  • グループ上位2チームのみ出場権獲得。
  • グループ3位同士でアジアプレーオフを行い勝利チームが北中米カリブ海予選4位チームとの大陸間プレーオフに回る。

メンバー発表会見

サムライブルー・メンバー

(★は初、☆は復帰)

GK(3名)

西川周作(浦和)[前回選出]
川島永嗣(メス)[前回選出]
林彰洋(FC東京)☆

DF(8名)

酒井宏樹(マルセイユ)[前回選出]
酒井高徳(ハンブルガーSV)[前回選出]
長友佑都(インテル)[前回選出]
槙野智章(浦和)[前回選出]
吉田麻也(サウサンプトン)[前回選出]
森重真人(FC東京)[前回選出]
昌子源(鹿島)☆
植田直通(鹿島)[前回選出]

MF(7名)

長谷部誠(フランクフルト)[前回選出](→右膝検査のため離脱)
山口蛍(セレッソ大阪)[前回選出]
今野泰幸(ガンバ大阪)☆(ハリル体制では初)
髙萩洋次郎(FC東京)☆(ハリル体制では初)
倉田秋(ガンバ大阪)☆(2015年東アジアカップ以来の選出)
香川真司(ドルトムント)[前回選出]
清武弘嗣(セレッソ大阪)[前回選出]

FW(7名)

本田圭佑(ミラン)[前回選出]
浅野拓磨(シュツットガルト)[前回選出]※アーセナル所属だがレンタルでシュツットガルト
原口元気(ヘルタ)[前回選出]
宇佐美貴史(アウクスブルク)☆
大迫勇也(ケルン)[前回選出]
岡崎慎司(レスター)[前回選出]
久保裕也(ヘント)[前回選出]

西野朗技術委員長挨拶

3試合がアウェーということで非常に厳しい。
後半戦は対戦相手も予想外のことをしてくる可能性がある。
UAE、タイの2戦はシリーズを勝ち抜く上で非常に大事な試合になる。
新しい選手の編成の中で新しいパフォーマンスを見せてくれれば高いチーム力を生み出してくれると期待している。
これからは本大会を見据えた戦いをしていかなければいけない。
日本の結束力対応力を発揮しアジアに見せ付けていかなければいけない。
(メディアの)皆さんのご協力もお借りしていかなければいけない。
コンディションを整えて皆さんと共に戦いに入っていきたい。

ハリルホジッチ監督挨拶

同じような可能性を秘めているチームが4つある。
困難な立ち上がりだったが今の立ち位置はいい。
アウェーゲームで勝利を持ち帰ることが重要。
我々も困難があるが他のチームも困難を抱えているので私はポジティブに捉えている。
UAE戦はアブダビからHazza Binに会場が変わった。

欧州のほとんどの選手に会って話をしてきた。
このチームはまだUAEに勝っていない。
どんな形でも勝利を収めることを考えないといけない。
我々にはリベンジの機会でもある。
勝利と予選突破を目指していく。
暴力的なこと、挑発、フィジカルの戦いがあるがスポーツマンシップとルールに則って戦う。
適正なレフェリングを期待する。
日本代表は特徴と決断力を持って勝利を目指していく。

バスケットではマネータイムと呼ばれる時間がある。
ワールドカップではスポーツ面だけでなく選手にとってとても大きな出来事になる。
選手にとってはモチベーションが上がっていると思う。
前回ワールドカップの悪い思い出を消すためにはまず出場すること。
日本サッカー界のことを考えても重要な時期。
代表はその国のサッカーを反映するもの。
それを見せるという意味でも代表には責任がある。

このゲームに向けてスタッフと共に長い時間準備してきている。
これから2-3日の間選手にそれを伝えていく。
決断力と意欲を持って最初のゲームに向かっていく。
次の試合については新しい選手が入ってくる。

ハリルホジッチ監督会見要旨(選出について)

  • GK
    東口が怪我のため林を選出。
    西川……トップコンディションはこれから。
    川島……リザーブチームでプレイしている。
    林……東京に入って良くなってきた。
  • DF(SB)
    DFは余り変わってない。
    酒井宏……(コメントなし)
    酒井高……(コメントなし)
    長友……余り試合に出ていないことが心配だが自分でトレーニングはしている。
    槙野……フィジカル面で心配はあるが良くなってきている。
  • DF(CB)
    ディフェンスは経験者と若手の融合。
    吉田……沢山ゲームに出てレベルアップしている。
    森重……森重もレベルアップしている。
    昌子……試合を見たが満足する内容。
    植田……ポテンシャルがあるので合宿での成長を期待。
  • MF(守備的MF)
    守備的MFが3人で新しい選手は今野。
    長谷部……試合で怪我をしたが既にトレーニングをしている。強い我々のキャプテン。長谷部なしは考えられない。
    山口……(コメントなし)
    今野……コンディションが良さそうなので入れた。経験値も高い。代表でのプレー経験もある。次の試合は経験が必要なため入った。彼の選出は驚きではない。これまで若い選手も入れたがメンタル面で準備が出来ていないと感じた。今野のようなタイプはそこで有用な選手。
  • MF(2列目)
    高萩、倉田が新しい選手。
    高萩……FCソウル在籍時から追跡してきた。昨年はJの若い選手を選んだ。興味深いプレイをしている。国際経験もある。1m83と体格もある。確実に使うというわけではないが手元に置いて状態やメンタルを見たい。
    倉田……新しい役割をこなしている。興味深い選手。ボールリカバリーしながら後ろからプレーを加速させる。ボールの所持に関わらずプレーを早くする。ポジションで色々行ってしまうのを修正すればいい選手になる。
    香川……最近試合に出ている。
    清武……フィジカルでトップコンディションではないが彼の質と経験値を考慮して有益な選手。大島僚太、井手口陽介、小林祐希、柴崎岳でなく彼らを選んだのはそうした理由。
  • FW(ウィング)
    本田……試合に出てなくても我々は必要としている。20試合で常にチームにいた選手。トップスコアラー。ポジション争いで出場は出来ていないが彼の代表プレー意欲は常に高い。彼の所も見てきたがプラスアルファのトレーニングもしている。出場や何分出場するのかは別問題。
    浅野……(コメントなし)
    原口……(コメントなし)
    宇佐美……ヨーロッパで彼と話した。彼の能力を信じている。ボールを受けて自分で違いを生む珍しい選手。一戦目(UAE)では難しいが二戦目(タイ)では良いジョーカーに成り得る。ジョーカーとして宇佐美が最適ではないかという判断で入れた。
  • FW(トップ)
    大迫……代表とは違う役割。
    岡崎……最近またレギュラーで試合に出ている。代表とは違う役割だが成長してきている。
    久保……沢山点を取っているので興味深い。現地で試合を見てきた。他の選手より勇気や思い切りがある。

質疑応答内容

  • Q:ベテランを新人として沢山呼んだが現在まで彼らとコミュニケーションを取っていたのか?
    A:選手とは直接コンタクトしている。
    Jリーグ所属の選手に関しては今野や倉田はこれまで面識がある。高萩は面識がないのでこれから。けが人が出れば幾つか更にオプションを考えている。
    入るということは状態がいい選手が入ったということ。
    今回入らなくても次入らないということではない。
  • Q:試合に出ていない選手について常々呼ばないといっていたが、出場の少ない本田、長友などの選手を呼んだことについては?
    A:本田は我々のトップスコアラー。本田の代わりが出来る選手がいるのかを考えないといけない。これまで若い選手を呼んだが少し相手をリスペクトし過ぎている部分もあった。本田や長友はビッグクラブ所属でトレーニングするだけでも違い。彼らの意欲も感じる。よりいい選手が現れたら彼らは呼ばない。ここ10年くらい本田、長友が呼ばれている。プレーだけでなく存在が重要。
    UAE戦に向けては特に経験が重要。
  • Q:決断力とは?
    A:オーストラリアに過去勝ったことがないということだが勝てるということを思い出させないといけない。自信と決断力を持って果たすことが出来るということ。
    13試合で4失点がセットプレー、1失点が流れの中。13試合でいい守備は出来ている。
    攻撃、決定力は足りないがチャンスメークは1試合12-13回決定機を作っている。
    出来る、やらないといけない、勝利を掴む。
  • Q:代表にとってポジティブな要素は?
    A:ポジティブなものは沢山ある。
  • Q:高萩はどのポジションで考えているか?
    A:FC東京では前目のポジションでやっている。沢山ゲームを見た。FC東京の試合を見て呼ぼうと思った。彼からのボールで攻撃が始まる。ゲームの読みもいい。スピードがあるというタイプではないが組み立ての中で違いを見せるテクニックがある。
    FKも蹴れる。守備面は蛍、今野、長谷部のようなボール奪取は出来ないが彼らと補完し合える選手。自分の隣にいる選手とは特に補い合える。
    DFに向かってくるボールも彼の背は有用になる。
    我々との初めてのコンタクト。必ず使うというわけではなく戦術の中で彼の行動を見たい。
    倉田の場合はより瞬発力のある選手。長谷部とはまた違うコンビネーションで考えている。多くの選手を長谷部とのコンビネーションで考えたがベストな選択肢を探している。

個人的印象

通訳と登壇者が変更

最初に、登壇者と通訳がこれまでと変わっていたのが気になりました。
登壇者はこれまでは田嶋幸三日本サッカー協会会長が出ていましたが西野技術委員長になっていました。

通訳はこれまで一貫して樋渡群通訳が努めていましたが羽生(はにゅう)直行通訳に代わっていました。
樋渡群氏は明朗で力強い通訳でサッカー経験もありハリルホジッチの通訳には適任と考えていたのでここで役割を外れるのは少し意外でした。

ただ、これについては担当者が代わったわけではなく、通訳も複数要員で対応するということのようです。
日本代表は霜田正浩NDの退任や手倉森コーチの就任など組織改変がありそれに合わせて通訳の体制も変更になったのかもしれません。

日刊スポーツでは「コーチなどを含めるとフランス語以外にも英語やスペイン語で通訳も役割分担するため」と解説されていました。

これまでの樋渡群通訳ではなく、今回はハビエル・アギーレ前監督、リカルド・ロペス前GKコーチの通訳でスペイン語、英語も含め語学堪能な羽生氏が指名されたようだ。代表チーム内には、コーチも含めフランス語を話すスタッフが多く、樋渡氏と羽生氏が役割分担しながら二人三脚でW杯を目指すチームを支えていく。

引用元:羽生直行氏、樋渡群氏2人の通訳が代表を支える

選出メンバーは順当 長谷部の不在をどのようにまとめていくかがカギに

メンバーについては順当な印象です。
大迫、久保、原口、長谷部、吉田、酒井宏、酒井高など欧州組とJリーグのレギュラー組の清武、山口、森重、西川を中心にメンバーを構成したという感じです。
欧州組でも本田、香川、長友はレギュラー争いが厳しく特に本田は既報の通りほとんどミランで出場機会が得られていませんが移籍はしませんでした。

本田や長友など試合に出ていない選手を選出したということでまたメディアがこぞってニュースに取り上げるでしょうが、本田についてはハリルホジッチ体制でトップスコアラーということは本人も述べている通りで、外すと得点源がいなくなります。
確かに所属チームで試合に出ていない状況は問題ですが、チームを仕上げる最後の年である今の段階では簡単に外せる選手ではないです。

2016年3月時点のデータをこのサイトでもまとめていますのでこちらも見て下さい。
http://www.varis.jp/entry/2016/05/31/143653

J(横浜FM)で好調な斎藤学、オランダ(ヘーレンフェーン)で3列目として急成長している小林祐希、スペイン(エイバル)でレギュラーを掴んでいる乾貴士、スペイン2部(タラゴナ)ながらDFとして通用している鈴木大輔などは面白い存在で入ってもおかしくないメンバーですが、今回は選外となりました。

DFは昌子、植田のアントラーズ組を選出していますが、DFを同じチームで構成するのは監督としてはよくある手法で、イタリア代表などもユベントスの3バックをそのまま代表に使ったりしています。

小林祐希は以前呼ばれていて代表で点も取っており、チームで後ろのポジションながらフィジカルも通用している印象があるため選外は意外でした。

乾はスペインでは一定の評価を受けているものの、ハリル体制では呼ばれていないので、残念ですが今後も恐らく呼ばれることはないでしょう。理由は2列目左として原口を主力に考えていること、会見でもあったように宇佐美をジョーカーとして監督自身が面白い存在と思っていることがあるでしょう。

斉藤は呼ばれたり呼ばれなかったりですが、現状では宇佐美より序列が下ということかもしれません。
アウクスブルクの試合は見ていないので宇佐美がどの程度出ているのかもよく知りません。
サッカーダイジェストWEBによると宇佐美は今シーズン8試合出場でゴール・アシストゼロとのことです。ブンデス1部(12位)とはいえやや物足りない成績といえるかもしれません。

宇佐美は、昨夏に入団したアウグスブルクで開幕からベンチを温め、中盤戦に入っていくらいか出番が増えたとはいえ、今シーズンここまでの成績は8試合(296分間)でゴールもアシストもゼロ。

引用元:【日本代表】本田、長友、宇佐美の不可解な選出…「発言と行動が矛盾」ハリルに審判が下るのは――

小林祐希でなく今野が入ったことが意外だったくらいで、今回は本田香川長友も間違いなく呼ばれると思っていましたし、自分は全体的にはそれほど悪いスカッドとは思っていません。

大迫、長谷部、吉田というセンターの軸がチームでも好調を維持しているのが大きいです。
大迫は代表でもフィットすることが前回で確認出来ており、攻撃の軸として期待出来ます。
長谷部は怪我はしたもののフランクフルトで日本人最多出場記録を塗り替えドイツでも一目置かれる程の存在です。
吉田はプレミア1部でレギュラーを掴めるようになりキャプテンを任されることもありプレーが安定してきました。相変わらずフィードは上手い印象ですがそれより怖いプレー、軽いプレーが減ったように思います。
この3人がチームで安定しているので代表の軸も非常にしっかりしています。

攻撃面ではヘントで得点を量産中の久保、ヘルタでレギュラーの原口、ドルトムントで復調傾向にある香川などは悪くない状態であり、清武はセビージャで出場機会を得られなかったものの、セレッソで試合に継続して出られる環境を確保出来ています。
清武に関しては移動の負担がこれまでより少なくなるのも大きいです。

少し心配なのはザッケローニ体制でもCBとしては守備が酷かった今野が入っていることですが、今回は守備的MFとして選出されているので、その点は安心でしょうか。
今野が入ったのは長谷部の状態が少し不安視されたのかもしれません。

ワールドカップ本選の出場ということに関しては、このままいけば大崩れすることなく出場を決めるのではと思います。
ベテラン組は4年前よりも現実的な目線、自分たちの立ち位置というものが分かったメンバーが多いのではないかということ。
また、レスターでプレスバックが世界に通用することを証明した岡崎、左サイドで台頭した原口、ボランチの長谷部、CBの吉田など、4年前よりも守備に関してはかなり強度が増しているのではないかと思えるためです。
このメンバーで戦う最終予選の大一番となる3月24日のUAE戦を注目して見ていきたいと思います。

追記(2017/3/21)
長谷部の離脱について。バイエルンとの試合でゴールポストに激突した際、左すねの裂傷以外にも右膝の重症がMRI検査で明らかになり、一旦は代表に合流していた長谷部は日本で内視鏡検査のため代表を離脱することになりました。
長谷部の離脱は非常に痛いですがワールドカップ本選ではこうしたアクシデントも予期した上で選手を招集しておかなければならず、今回はそのシミュレーションの機会として生かさなくてはいけません。
チームリーダーの川島、長友、本田等と、守備的MFで招集されたベテランの今野等が長谷部の代わりを担うことを期待しています。

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