ドラマ『鍵のかかった部屋』月9枠でもガチミステリに拘ったドラマ班に喝采

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ドラマ『鍵のかかった部屋』はフジテレビ木曜チャレンジ枠でなく、月9枠で挑んだ「ガチミステリー」。
更に、ミステリの中でも「ハウダニット」に特化した内容で、特に密室をどうやって構成したかだけがテーマのきわめて珍しいドラマ。

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今フジテレビへは風当りが強いですが、「古畑任三郎」「ガリレオ」「謎解きはディナーのあとで」などこういうガチミステリや倒叙をやってくれる局はフジしかないので貴重でしょうね。
他局は旅情ものとか警察ものとか、そういう方向にしかいかないので。

題材がミステリでも福山(雅治)さんのような人気俳優を使えば視聴率が取れることは証明されている。
みんな実はミステリが見たいんですよ。

キャラクターについて

  • 青砥純子(戸田恵理香)
    法律事務所の新米で依頼者兼ヒロイン。ドジだが一度思ったらとことん食らいつく。戸田さんは当然だがSPECの当麻紗綾とは全く違う演技で素晴らしかった。
    しかし徐々にガリレオの内海(柴崎コウ)化していっているのが気になる。
  • 芹沢豪(佐藤浩市)
    法律事務所のボスで三枚目のキャラ。
    クライアントのためといいながら金につながらない無駄な捜査はしたくないと思っている。しかし、企業法務しかやらないといいつつ青砥に押し切られてしまう。ミステリは大嫌いで突っ込み役。
    佐藤浩市さんはこういうのやると本当に巧い。というか何やっても巧い。
    そういえばNHK大河の新撰組!でも芹沢(鴨)を演じてましたね。
  • 榎本径(大野智)
    警備会社勤務。変人の鍵マニアの天才で謎多い人物。
    大野君の榎本の造形は良かった。やや滑舌が悪く棒口調だったが許せる範囲だった。

ドラマについて

ガリレオのようなゴージャスさはなく地味だがお堅いというわけでもなく、コメディ色を出すためか芹沢というせっかちでミステリ的展開に否定的なキャラを入れてちょっとドタバタ感を出している。が榎本のキャラクター付けもありそこまでスタンダップになっていない。

個人的にはどうしてもSPECのダメな後半の展開が頭に浮かんでしまうが、鍵の~ではちゃんと様式美に則った、ロジックによる解決が行われている。
見ていて安心する。
第一話でロジックから始まったSPECが最後はファンタジーになってしまったのは本当に心が痛かった。

鍵の~が好感なのはフジドラマ特有のキャラクターバストアップ連発といったことをせず、メインキャラを3人に絞って謎解きを中心に展開しようとさせていることもある。
ドラマ『HERO』などのバストアップ連発の画づらはうんざりだった。

鍵の~話し的には、一話「佇む男」よりも二話「鍵のかかった部屋」のほうが抜群に良かった。
一話だけを見て駄目だと思った人は二話、三話まで見て判断してもらいたい。

一話「佇む男」ではキャラクター付けにパワーが分散したのか謎の見せ方、冒頭の奇想部分が弱く、「なんで密室は構成されたんだぜ?」という説得力や訴えが弱かった。
白幕で出られるならそもそも密室じゃないよね??と思いながら見ていた。と思っていたら目撃者が現れ死亡時刻後に被害者が立ってこちらを睨んでいた、といって、今度は生きている被害者、という方向に謎がすり替わってしまったが、榎本は密室の構成の謎を探ろうとする。(そういうキャラなので)それで最後までちぐはぐな感じだった。

二話「鍵のかかった部屋」はちゃんと冒頭の奇想が密室の構成の謎になっていた。
まさに島田荘司の言う「冒頭の奇想とロジックによる帰結」がある完璧なミステリだった。
「鍵のかかった部屋」全話でも二話が最も内容が良いと思う。

三話「盤端の迷宮」は将棋と美人棋士によるトリックを扱った話で、棋士役の相武紗季の美しさが素晴らしい。
相武紗季に「xリヘル」と台詞を言わせてしまうのも驚いた。
肝心のストーリーとトリックも破綻していない。
将棋という題材を意外な方向に持っていき、心理的な密室の構成と結び付けていて、犯人のミスやそれを指摘する探偵などとてもミステリしていてよかった。

本稿のまとめ

ガリレオほどゴージャスではないが、嵐を主演に据えてもここまでガチミステリをやろうとしたフジテレビと『鍵のかかった部屋』製作班の心意気に喝采を送りたい。

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