HUNTER✖️HUNTER ドキドキ2択クイズに隠されていた真意ともう一つの正解ルート

漫画「HUNTER✖️HUNTER」が好きで、「あの時もしこういう選択をしていたら」とか「あれはどういう意味があったのか」とか、そういう物語やキャラクターの真意を推察するのが楽しみの一つになっている。

今回はハンター試験の試験の一つ『ドキドキ2択クイズ』(原作漫画では3話「究極の選択」)について考察する。
(HUNTER×HUNTERのネタバレ含みます。知りたくない人はブラウザバックを。)

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ハンター試験は、試験会場を探すところから試験になっていて、毎年変わる会場の正確な位置はナビゲータしか知らない。
ハンター志望者に配られる通知には大雑把な場所と日時しか書かれておらず、会場の正確な場所はナビゲータを見つけ出し、彼らの信用を得て案内されないと受験会場にすら辿りつけないのだ。

ハンターを目指すゴン、クラピカ、レオリオの3人は、たまたま港行きの船に乗り合わせ、その後数奇な運命を共にする事になる。
3人はドーレ港からナビゲータを探してクイズの街にたどり着く。
そこではドキドキ2択クイズという試験を課せられる事になった。
ゴン・フリークス クジラ島出身の少年。ハンター試験を最年少で受験し、キルア・クラピカ・レオリオ達と出会う。ハンターである父親を探す旅をしている。

クラピカ 幻影旅団に殲滅された少数民族・クルタ族の生き残り。一族の復讐を誓ってハンター試験を受ける。志望はブラックリストハンター。

レオリオ・パラディナイト 医者になるためにハンター試験を目指す青年。性格は単純且つ俗物的だが、根はとても仲間思い。

キルア・ゾルディック 暗殺一家のエリートの少年。家業が嫌になり家出。ハンター試験には暇だったから参加。

ヒソカ・モロウ 凄腕のマジシャンで戦闘狂。幼少期から素質のある子供に目を付け、殺し甲斐のある使い手に成長したら殺すというクレイジーなポリシーを持つ。ゴンやキルアもそのターゲット「青い果実」として目を付けられてしまう。

ドキドキ2択クイズの仕様

  • 1問だけクイズが出題される。
  • クイズには3人で受ける。
    一人でも不正解になると失格で今年のハンター資格取得は不可能。(試験官からハンター協会に脱落者として報告される。)
    本来一人一問だが、ハンター試験は現役ハンターが試験官となるので、このようなレギュレーションの突発的な変更は日常である。
  • 問題には5秒間考える時間がある。
  • 問題には1か2で答える。それ以外のあいまいな答えは全て間違いとみなされる。
  • 問題は答える人間によって回答が変わるような内容で万人共通の正解はない。
    3人の前に強引に割り込んで試験を受けた受験者への問題
    「受験者の母親と恋人が悪党につかまり一人しか助けられない。
    ①恋人②母親 どちらを助けるか?」

3人への問題と三者三様の答え

質問 「息子と娘が誘拐された
一人しか取り戻せない
①息子②娘 どちらを取り戻す?」

ゴン編

ゴンたちの前に割り込んでクイズに答え、街を抜けていた受験者。
ゴンはくじら島での生活で培った鋭い聴覚で、受験者の悲鳴に気付く。
受験者は何者かに襲われたのだ。
ゴンは腕組みをしたまま何かを考えている。

クラピカ編

クラピカは優れた洞察力でこの試験のトリックに直ぐに気付く。
質問には①か②でしか答えられない。しかしどちらが正解とも言えない質問。答えようがない質問に2択でしか答えられないルール。

クラピカはこのクイズのからくりを二人に伝えようとするが、試験官に制され話すと即失格と言われてしまう。

レオリオ編

レオリオは質問を真に受け、その答えを探すが、当然まともに回答できるものではなく、答えは出ない。
こんな気分次第でどうにでも答えが変わるいい加減な質問を出すのがハンター協会のやることなのか。
レオリオの憤りは目の前の試験官、そしてハンター協会へ向けられる。
手始めに試験官の老女を懲らしめるためかばんの中にナイフはあったが、それは出さず
無意識にその辺りにある棒切れを探し拾うと、その怒りの矛先を老婆に向けようとしていた。

クイズに用意されていたもう一つの正解

答えは『沈黙』だった。
万人共通の答えがないのに①か②でしか答えられないのだから、沈黙するしかないのだ。
答えを言って街を抜けていった受験者たちは魔獣や獣に襲われていた。
正しい道ではなかったのだ。
試験官の老婆は3人の正解を称え本当の道に案内する。その先には1本杉が待っていた。

クイズの意図は受験者の洞察力を確かめるものと考えていいだろう。

前述のゴン等に割り込んだ男は質問に答えたが、
①!!(本当は恋人に決まってるがこの方がババア好みの答えだろう)
そりゃあ~母親はこの世にたった一人だぜ

恋人はまた見つけりゃいい

引用元:HUNTER✖️HUNTER第1巻第3話
理由としてもお粗末なものだった。
レオリオは①とも②とも答えず、試験官を懲らしめるために棒切れを探し、それを振り上げる。

こんな問題人によって答えは違うし「正解」なんていう言葉でくくれるもんでもねー
ここの審査員も合格者も全部クソの山だぜ!!
俺は認めねーぞ

引用元:HUNTER✖️HUNTER第1巻第3話

が、直前でクラピカに止められる。
そして合格を棒に振る気か、と言われてはっとする。
事の真相に、レオリオは老婆に謝るが、

お前みたいな奴に会いたくてやってる仕事さ

がんばっていいハンターになりな

引用元:HUNTER✖️HUNTER第1巻第3話
老婆はレオリオを快く送り出す。

老婆が会いたかった奴というのは、どういうことだろうか。

このクイズには、意図に気付いて沈黙を選択するか、①や②で答えて魔獣の餌食になるかどちらかの受験者が大半だ。
しかし、レオリオは違った。

レオリオは、質問に対して真摯にぶつかり、結果そして憤ったのだ。
ハンター試験を受けてみればこんなふざけた問題で人を判断しようというのか。

イヤなことは決闘してでもやらないと2話「嵐の出会い」で公言しているレオリオ。
また、自分より年下と思われるクラピカから何度も呼び捨てされ激高していることから、道理が通っていないことや自分をバカにする言動には絶対に我慢ができない性格なのだ。

逆に、同じく2話で嵐の海に落ちそうになったカッツォを、決闘のさなかでも一番に動き出して助けに行き、同じく救助に手を貸したクラピカに対し、先ほどまで決闘していた相手だというのに非礼を詫びている。

レオリオは非常に仁義を重んじる性格だということだ。
また、道理が通らないことには義憤を感じて我慢できず、直情的に手が出てしまうところもある。

質問へのもう一つの正解。それは質問に対して、真摯な態度を取れるかどうかということだった。
不条理な質問に憤り怒る人間には「不正解になる選択肢を答えることを避けることができる」というもう一つの正解のルートが用意されていた。
老女が会いたかったというのは、単に頭が聡い受験者でなく、レオリオのような不条理に憤りを感じ行動できる人間だったのかもしれない。

実際に、レオリオはこの義理堅く直情的な性格のお陰で、何度もゴンや仲間たちに助けられ、危機を乗り越えていく。

なお、試験官に手を出した場合即失格となるため、義憤を感じて行動に移す前に止めてくれるパートナーもこの場合は、必須になるのだが、レオリオの場合はクラピカが制止したので合格を勝ち取っている。
ハンター世界で最も仲間たちに恵まれた男、それがレオリオだと思うのだ。

更に老婆は告げる

ゴンは合格後も考えているが答えが出ないという。
本当に大切な2人の内一人しか助けられなかったとしたら。
どちらを選んでも正解じゃない。どちらかを選ばないといけない。いつか来るかもしれない。
試験官の老婆は彼らを見送りながら思う。
あらゆる残酷な想像に耐えておけ、いつか来る分かれ道に備えて。
それがこのクイズの真の意図だと。
クイズの正解は沈黙だった。それは質問と回答のルール上答えられないから。
しかし、いつか来る本当に大切な二人の選択の場面。
それが簡単に答えられるものではないのだから、どちらを取っても残酷な結末になるかもしれない。
今からそのことを沈思し想像しておくこと。それが本当の正解だったのだ。

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