【将棋観る将】2016年から2017年将棋界の10大ニュース(スマホ不正問題決着・藤井聡太四段・ひふみん引退他)

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自分は昨年から棋戦中継を見始めて将棋の面白さにハマッた”観る将”です。
昨年から今年までの間に将棋界では近年ない様々なことが起こっており、一部は社会現象にもなっています。
観る将のわたしたちが抑えておくべきトピックを10選んで整理したので公開します。


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スマホ不正(ソフト指し)疑惑問題が決着へ

2016年に行われた第29期竜王戦前に、渡辺明竜王から三浦弘行九段のソフト指し疑惑が指摘され、竜王戦タイトル挑戦者が決定していた三浦九段は挑戦者を取り消され、年内の対局も禁止とされた。
三浦九段側は疑惑を否定し、調査委員会による調査が行われた結果、ソフト指しの疑いなしとされた。
その後、連盟理事の解任等を経て、2017年5月23日に和解の合意が成立したとして、24日に記者会見で発表された。

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天才中学生プロ棋士誕生、藤井聡太

62年ぶりに最年少記録を更新して中学生プロ棋士となった藤井聡太四段は、AbemaTVの企画「炎の七番勝負」で羽生善治、佐藤康光といった名立たる7名のトップ棋士と対戦。
羽生三冠撃破を含む6勝1敗の好成績で終える。公式戦でもプロ緒戦の加藤一二三九段戦を皮切りに破竹の18連勝を記録。
プロ棋士の間でも当時の羽生四段を上回る強さという評判で天才の名に相応しい活躍となった。
メディアでも連日藤井聡太四段を取り上げるなど社会現象となっている。

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20代同士の名人戦は約20年ぶり

第75期名人戦は佐藤天彦名人と挑戦者の稲葉陽八段の20代対決となり、20代同士の名人戦は第54期の羽生・森内戦よりおよそ20年(21期)ぶりとなる。
世代交代を象徴する対決と言える。
第10回朝日杯では23歳の八代弥六段が初優勝。また、現在行われている第58期王位戦挑戦者決定戦では、共に25歳の澤田真吾六段と菅井竜也七段が羽生王位への挑戦権を争っており、名人戦以外でも20代の躍進が際立っている。

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ニコニコ電王戦が終了

第2期叡王戦を制した佐藤天彦名人と第4回電王トーナメント優勝ソフトのPONANZAが激突したがPONANZAが2連勝。
棋士の最高位である名人を持ってしても既に将棋ソフトに勝つのは難しいことが改めて証明された。
電王戦はこれをもって終了することが川上量生会長から宣言されている。(将棋ソフトの頂点を争う電王トーナメント自体は継続する。)
しかし、プロ棋士には無敗のPONANZAも、2017年コンピュータ将棋選手権ではelmoに敗北を喫している。

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叡王戦がタイトル戦昇格(34年ぶりの新タイトル戦)

叡王戦は電王戦のソフト挑戦者を決めるエントリー制トーナメントとして一般棋戦扱いで2期運営されてきた。
第3期からは電王戦と切り離されて継続される。
また、同時に一般棋戦からタイトル戦に格上げされることも決定した。
34年ぶりの新タイトル戦となった。
優勝金額は非公開だが序列が三番目となる。
また、新聞社・通信社以外のタイトル戦は史上初となる。
決勝の対局ルールは変則の七番勝負。
叡王戦はこれまではエントリー形式だったため、不参加の棋士も数名いたが、今後は全棋士が参加となる。

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AbemaTV将棋チャンネル開始

これまで将棋の棋戦中継は地上波などを除くとニコニコ動画だけが運営していたが、2017年2月1日からAbemaTVが参加。
ニコニコ動画が独占していた将棋棋戦の中継に割って入った形となった。
今後は棋戦の中継を大手配信会社が分け合うことになり、名人戦、竜王戦ランキング戦ではニコニコ、Abemaそれぞれで同じ対局の中継が行われるなど、視聴者の奪い合いが激しくなっている。
視聴者にとっても、「ゆるい雰囲気、電王盤の評価値表示、アンケートや詰め将棋、メール質問などの参加型コンテンツ、低画質のニコニコ」と「作りこんだコンテンツ、フリップでの丁寧な説明、初心者向けの解説、高画質のAbema」という異なる特徴の放送のどちらを見ていくかという悩ましい問題がある。

※更にいえば、ニコニコは無料会員でも視聴は可能だが、人数が増えると「生放送からの追い出し」がされるため、視聴環境としては無料では厳しいものがあるため、プレミアム会員で見る事が推奨される。
一方、Abemaは現時点では無料会員でも生放送の追い出しなどはなく、見ることに問題はない。有料会員の場合は過去の放送が見れないというだけである。
(但し、「亀田興毅に勝ったら1000万円」企画のようにサーバが負荷に耐え切れず落ちたという”実績”はある。)

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加藤一二三九段が引退

“ひふみん”の愛称で親しまれる加藤一二三九段が順位戦C級2組から降級となり、フリークラス在籍資格は60歳までのため、加藤九段は規定により引退となった。
(※将棋連盟公式サイト「フリークラス棋士の引退」に関する規定を参照 https://www.shogi.or.jp/match/junni/rules.html)
77歳での公式戦出場は最高齢記録。
また、14歳7ヶ月でのプロ入り最年少記録も持っていたが、62年ぶりに藤井聡太四段に破られた。
引退が決まった後もバラエティー番組などに連日顔を出す人気棋士であり、普段テレビを全く見ない藤井総太四段が「唯一知っている芸能人が加藤九段」として名前を挙げているほどである。

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森内俊之九段がフリークラス転出へ

平成28年度のA級順位戦で降級(B1)となった森内俊之九段が40代の若さでフリークラス宣言したことは驚きを持って報じられた。
森内九段は羽生世代の実力者として名人位を8期獲得し永世名人位を保持しているが、フリークラスになると今後は順位戦(名人戦)に参加が出来なくなる。(他の棋戦は参加可能)
また、一度フリークラス棋士となると、順位戦への復帰することは出来ない。
(※将棋連盟公式サイト「宣言によるフリークラス棋士」に関する規定を参照 https://www.shogi.or.jp/match/junni/rules.html)
森内九段は2017年の将棋連盟の役員理事選挙に立候補し当選。今後は常務理事として将棋連盟の改革にも手腕を発揮していくこととなる。

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外国人初の女流プロ棋士誕生(カロリーナ・ステチェンスカ)

ポーランド出身のカロリーナ・ステチェンスカさんが2016年に規定を満たし外国人初の女流プロ棋士(2級)となった。
藤井聡太四段の話題に隠れがちだが、外国人初のプロ棋士誕生ということでこちらも大きな出来事である。

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「聖の青春」「3月のライオン」将棋を題材にした映画が公開

将棋人気が高まる中、映画「聖の青春」「3月のライオン」(羽海野チカ)が2016年に相次いで公開された。「3月のライオン」はアニメ化もされ映画の公開と合わせて話題を集めた。

本稿の終わりに

将棋ファンにとっては様々な事が起きた2016年から2017年の将棋界でしたが、今後も運営上の問題を改善しつつ、クリーンでフェアな対局環境を通じて、多数の名局が生まれることを期待したいと思います。

上記には入れていませんが、佐藤康光会長が2017年の紫綬褒章を受章していることも併せて掲載したいと思います。
佐藤会長は2月に会長職となってから、叡王戦のタイトル戦昇格の調整、三浦九段と連盟との間の和解に向けた調整など難しい問題を処理しながら、順位戦A級の保持、第44回名局賞(第75期A級順位戦佐藤康光九段-深浦康一九段戦)を受賞するなど個人としても活躍されており、将棋界にとっては良いニュースだったと思います。

(画像掲載元:https://wikimedia.org

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