【書評】【読書レビュー】フェイスブック 若き天才の野望「世界の変革へ 野心に満ちたハーバード大エリートのスタートアップ物語」

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「フェイスブック 若き天才の野望」を読了したので読書レビューを上げる。

フェイスブック 若き天才の野望
日経BP社 (2013-09-12)
売り上げランキング: 40,776

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内容について

SNSサービス「フェイスブック(Facebook)」を立ち上げた創業者マーク・ザッカーバーグとフェイスブックを巡る中心人物たちのストーリー。
アップルの「スティーブ・ジョブズ」、Googleの「How Google Works」、Amazonの「ジェフ・ベゾス 果てなき野望」といったシリコンバレーのIT企業を立ち上げた創業者たちの物語に連なる。

話として面白いのは2003年ごろのハーバード大やアイビーリーグなどの大学の状況が描写されていること。
日本の大学では有り得ないような、大学内のクローズなWEBサービスの一つからスタートしたFacebookも大学という環境からでなければ生まれないサービスであったことが分かる。
大学で講義を取るためには受講している人間と知り合ってノートを写すことが大きなポイントだが、ハーバード大でもそういう例に漏れず、講義をコース選択している学生が誰かを知ることが学生の間で需要が高く、学生の写真やプロフィールと講義のコースをマッチングさせると言うWEBサービスからフェイスブックはスタートする。
その後はIT系の創業ストーリーの例に漏れずガレージのような場所でのハードワークから、巨大IT企業に成長する過程での試行錯誤、創業メンバーとの諍いや仲間割れ、シリコンバレースタートアップにお決まりの競争相手からの訴訟の戦いなどが語られる。

第5章(「投資家」)辺りまでは比較的読みやすいが、第6章(「本物の企業へ」)以降から読み辛くなった。(なお、第17章まである。)
Facebookが現在のアメリカやその他の国家、社会の中でどういう使われ方をし、どういう社会的、経済的影響を与えているのかに焦点が移ってくるため、邦題タイトルのようにザッカーバーグ個人の話でなくFacebook自体を論じた話になる。この辺りの話は数字も多くなってくるため読み辛いと感じる。
邦題タイトルは「フェイスブック 若き天才の野望」となっているが、原題は「フェイスブック・エフェクト」であり、クチコミなどのネットワーク効果のことなので、原題と邦題とでは少しニュアンスが異なっている。

Facebookの世界的影響については本書を読むことで良く理解できるが、例として挙げられている2008年にオバマ政権がFacebookを使いこなして選挙戦に勝利したように、2017年の現在から見ると少し古いものとなっている。
2017年現在、自分の考えを表明する短文投稿インターネットツールとしてはやはりTwitterが主流であるといえるだろう。
ドナルド・トランプ米大統領がTwitterを駆使して自分の考えをツイートし続けているのは象徴的だ。
ただ、だとしてもFacebookというツールを理解する事は意義があることであり、本書を読む上でその一助となることは間違いない。
(Facebookが新興勢力Twitterをどう見ているかについては、第16章(「フェイスブックの進化」)で語られる。)

SNSに関して

SNSに関して言えば日本では2004年にmixiやGreeがスタートしSNSとして知られるようになった。
この頃ブログも最初のブームの飽和状態となりユーザーが増えていたが、SNSでは友人関係の可視化や醸成が出来るサービスという面がクローズアップされて注目を集めた。
その後、mixiはSNS内部にアプリゲームを投入し始め、「モンスターストライク」等のアプリゲームに傾倒していき、SNSとしては失速。
Greeも課金請求やコンプリートガチャの問題で火種を抱え下火になっていった。
mixiに取って代わり2010年台に入りTwitterが一般層にも浸透していった。

Twitterは実名、匿名ともアカウントが混在しユーザーによってどちらにも使える用途になっている。
日本ではFacebookも一時期話題になっていたが、現在はTwitterやLINEが圧倒的に多い印象がある。他には芸能人やアスリートの影響でインスタグラムを使う人も増えている。

自分もmixiはまだ招待制の時に知り合いから招待され使い始めた。
mixi内に入った時、それまで緩いつながりがあったネット上の知り合いが悉くmixiにアカウントを作っていてプロフィールがあり、自分が一番最後のような気がして驚いた記憶がある。
そのくらい、当時は誰も彼もがmixiにアカウントを持っていた。
mixiでは長い間クローズドなテキストの場所として使っていたが、2014年に退会した。
今はどうなっているのかは知らないが、無料では自分の日記への検索も出来ないサービスだった。
検索が出来なければ、長く日記やログを書けば書くほど使いづらくなる。

また、ユーザーから機能要望が相次いでいたが、運営としては上記のようにアプリゲームの機能追加ばかりで、SNSとしては迷走しているように思えた。
結局自分はmixiを退会してOneNoteにログの場所を移行した。
末期は、自分の場合は、周りのユーザーもTwitterやFacebook等のサードパーティー側で投稿したテキストがサービス連携したmixiにフォワードされて流れてくるだけで、mixiメインで使っている人はほとんどいなかった。

Facebookについては、一時期企業サイトなども積極的に活用する動きが見られていたが、その後日本ではTwitterを使うユーザが多く、短文投稿サイトの標準サービスとしてはTwitterを使うのが主流になっていると思う。
理由としてはFacebookはオープンなWEBの関係で使うには少し”重い”ということがあるかもしれない。

Facebookは当初、リアルの情報に紐付いたサービスということで、仕事で使うことを想定し、名刺代わりになるかもしれないと思いアカウントを開設したものの、結局使いどころがなく先月退会した。
Facebookも短文投稿は出来るが、自分は外部アウトプットにブログ(Wordpress)、クローズドな情報の管理にはOneNote(デジタルノート。使い方はほぼEvernoteと同様。SNSではない。)にログを書いており、Facebookを使うセグメントが全くなかった。
リアルの情報と紐付けることがFacebookの特徴だが、仕事への波及効果がない上、何かネット上の活動で問題が起きたときリアルの情報をWEBにさらした状態になるのはやはり怖いということが大きかった。
外国ではリアルの情報をネットにさらすことに抵抗がないという日本との違いがあり、そういった背景からもFacebookのようなサービスがシリコンバレーから出てくるのも自然な成り行きなのかもしれない。

興味深いトピック

  • 2000年初頭ごろのアイビーリーグ系大学の内情や学生の考え方、生活など
  • Microsoft、Apple、Google等の巨大IT企業とFacebookとの関係
  • スマホ上でアプリが動作するように、Facebookもアプリの動作する基盤となるプラットフォームとして機能しており、多数のゲームやアプリがFacebook上で動作し使われているということ
  • インターネット企業におけるオンライン広告の戦略

読書に向いている人

  • Facebookユーザー、Facebookに興味のある人
  • 大学で立ち上げたスタートアップの成功例を知りたい人
  • 主要なSNS(フレンドスター、シックスデグリーズ、リンクトイン、オーカット、マイスペース等)とそれらの歴史を知りたい人
  • Facebookの機能拡張の歴史を知りたい人

読書に向いていない人

  • SNSやFacebookに興味のない人
  • WEBのスタートアップのストーリーに興味のない人
  • Facebookの特に技術的な側面を知りたい人(技術的な側面について知りたいため読むのであれば、ほとんど本書で語られないため読む必要はない)

合わせて読みたい

スタートアップの話といえば、やはりアップルの創業者スティーブ・ジョブズの伝記は欠かせない。未読ならぜひ読んでおきたい。

スティーブ・ジョブズ I
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スティーブ・ジョブズ II
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